【TOEIC文法】知っているようで知らない不定詞の世界

Posted on 2019.11.06

はじめに

「不定詞」という文法項目を聞いたことがありますか?

おそらくほとんどの人が名前は知っているはずです。

では、不定詞について説明してください。
と言われたらあなたは自信を持って説明することができますか?

きっと多くの人が自信を持って答えられないでしょう。

今回はそんな不定詞について解説していきます。

不定詞の基本

不定詞とは、to + 動詞の原形の形で、名詞・形容詞・副詞の3つのはたらきをすることができるというものだよ。

1人3役をこなすことができる便利な文法項目です。

でも、この1人3役というはたらきが多くの英語学習者を苦しませている要因にもなっています。

不定詞の3つのはたらきのことをそれぞれ、
①名詞的用法
②形容詞的用法
③副詞的用法

基本的な訳し方はそれぞれ、
①⇒「~すること」
②⇒「~するための」
③⇒「~するために・~して」

問題は、文章の中でこの3つをどのように使い分けるか?
言い換えると、文章の中に不定詞を見つけたら何をすればいいのか?ということです。

3つの用法の使い分け

不定詞の使い分けをするうえで必要となる知識が品詞の役割です。

名詞・形容詞・副詞の役割はそれぞれ以下の通りです。

名詞⇒S(主語)、O(目的語)、C(補語)
形容詞⇒C(補語)、M(修飾語)
副詞⇒M(修飾語)

それぞれの品詞について詳しく知りたい方は下のボタンから解説記事を見てみてください。
名詞編
形容詞編
副詞編

この考えがそのまま不定詞の3つの用法の使い分けにも使うことができます。
つまり、不定詞が置かれているポジションを見ることによって用法の判別をすることができるのです。

例えば、
She likes to read magazines.
この文では、不定詞がlikesという他動詞の後ろ、すなわち目的語の位置に置かれています。
目的語の位置に置くことができる品詞は名詞
つまり、不定詞の名詞的用法「~すること」と考えることができるのです。
She likes to read magazines.
⇒「彼女は雑誌を読むことが好きです。」

不定詞を見つけたらポジションを見よ!
これが不定詞の3つの用法を見分けるうえでの最大のポイントです。

練習問題

では、先ほどのルールを使って実際に不定詞を使った文章を見ていきましょう。

(1) I went Australia to study English.

(2) My job is to provide user support at call center.

(3) It is dangerous to go out in such torrential rain.

(4) The lady was relieved to know her son was safe.

(5) I found it difficult to understand this sentence.

それぞれの文に使われている不定詞が3つの用法のうちどれに当たるか分かりますか?
1つずつ見ていきましょう。

(1) I went to Australia to study English.
この文章では、不定詞が I went to Australia という完成された文章の後ろに来ていますね。
つまり、M(修飾語)に位置している不定詞なので選択肢は2つ。
形容詞的用法「~するための」もしくは副詞的用法「~するために」のどちらかです。
この場合は前の文章との関係を考えると副詞的用法で訳したほうが良さそうです。
よって、和訳は「私は英語を勉強するためにオーストラリアに行った」という訳になります。

(2) My job is to provide user support at call center.
この文章では、不定詞がbe動詞の後ろに来ていますね。
つまり、C(補語)に位置している不定詞なので選択肢は2つ。
名詞的用法「~すること」もしくは形容詞的用法「~するために」のどちらかです。
基本的に不定詞の形容詞的用法は直前の名詞を修飾するために使われます。
不定詞の前に名詞がないので、ここでは形容詞的用法ではなく名詞的用法であると考えます。
よって、和訳は「私の仕事はコールセンターでユーザーサポートを提供することです」という訳になります。

(3) It is dangerous to go out in such torrential rain.
この文章を考えるうえで必要となる知識が形式主語と言われるものです。
形式主語についてよく分からないという方は以下のリンクで分かりやすく説明されているので見てみてください。
不定詞の形式主語とは
形式主語の知識を踏まえて不定詞のポジションを考えると、S(主語)の位置にあることが分かります。
つまり、名詞的用法「~すること」で訳すことができます。
和訳は「このような豪雨の中で外出することは危険である」という訳になります。

(4) The lady was relieved to know her son was safe.
この文章では、不定詞が The lady was relieved という完成された文章の後ろに来ていますね。
つまり、M(修飾語)に位置している不定詞なので選択肢は2つ。
形容詞的用法もしくは副詞的用法のどちらかです。
この場合はrelievedという形容詞の後ろに来ているので、形容詞を修飾することのできる副詞的用法が適切であると考えます。
よって、和訳は「その女性は彼女の息子が無事だと知って安心した」という訳になります。

(5) I found it difficult to understand this sentence.
この文章を考えるうえで必要となる知識が形式目的語と言われるものです。
形式目的語についてよく分からないという方は以下のリンクで分かりやすく説明されているので見てみてください。
形式目的語のitを使った文の見分け方と使い方
形式目的語の知識を踏まえて不定詞のポジションを考えると、O(目的語)の位置にあることが分かります。
つまり、名詞的用法で訳すことができます。
和訳は「私はこの文章を理解することが難しいと分かった」という訳になります。

まとめ

いかがでしたか?

いままで何となくの文脈で訳してきた不定詞も、不定詞のポジションを考えることで自信を持って和訳が考えられるようになります。

これから不定詞をみたら、まずはその不定詞がどの位置に置かれているか?を考えるようにしましょう。

そうすれば、あなたの不定詞に対する意識が間違いなく変わっていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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